ストレスで休職したいというのは、甘えじゃないか。
そう考えて、休職したいのに言い出せない人も多いのではないでしょうか。
結論を言うと、ストレスで休職したいというのは、甘えではありません。
身体からの大事なサインです。
それを無視するとだんだん自分が壊れていってしまうので、この記事を読んで、休職の仕組みについて理解し、自分の心と身体をちゃんと守ってあげてくださいね。
- 仕事のストレスがつらすぎて休職したい
- 休職したいのは甘えじゃないかと思ってしまう
- 休職までのプロセスを知りたい
この記事を書いた人
- 休職したいのは甘えじゃないとわかる
- 休職を考えるべきサインがわかる
- 休職までの具体的なプロセスがわかる
ストレスで休職したいのは甘えじゃない理由
心の不調は身体の不調につながる
会社で働いていると、ストレスが全くない状態というのは難しいですよね。
軽度のストレスであれば、趣味などでリフレッシュして、また頑張ろうと思えるかもしれません。
ですが、あなたが「休職したい」とまで思っているのは、ストレスの度が超えてしまっていて、とてもつらいからなのではないでしょうか。
そんな重度のストレスはとても危険です。
気分が落ち込む・頭が働かなくなる、という精神面だけでなく、動悸・腹痛・頭痛といった身体面にも不調をきたしてしまいます。
あなたの身体は一つしかありません。
しっかりと心を休めて、健康を取り戻すことが最も大切です。
エネルギーがないと仕事で本領発揮できない
エネルギーがなく、疲れた状態で仕事をすると、生産性が落ちるので、会社にとっても良くありません。
嫌だな、疲れたな、と思いながら働いている人より、楽しい!もっとやりたい!と思って働いている人のほうが、アウトプットの質が高いことは明らかですよね。
休職するのは甘えじゃないか?と思ってしまいがちですが、会社にとっても、一度しっかり休んでから、エネルギッシュな状態で働いてもらった方がいいのです。
仕事は替えが効くが、人生は替えが効かない
毎日働いていると、人生の中心が仕事になってしまって、「今の仕事は自分にしかできない」「自分が責任を持って最後までやらなきゃ」と思ってしまいますよね。
でも本来は、人生のために仕事をしているのであって、仕事のための人生ではありません。
会社員の仕事は誰でもできます。
でもあなたの人生は替えが効かないのです。
「会社に悪い」と思うのをやめて、自分を一番大切にしてくださいね。
ストレスで休職を考えるべきサイン【体験談】
私の体験談ですが、休職を考えるきっかけになった症状をご紹介します。
少しでも当てはまる場合は、医師の診察を受けてくださいね。
常に気分が落ち込む
嫌な仕事でも常に我慢し、ストレスが蓄積していたため、平日は常に気分が落ち込んでいました。
毎朝起きると、「今日も仕事か、嫌だな」と思うし、日曜日は午後になるとずっと憂鬱な気持ちに。
今思うと、毎日気持ちが落ち込んでいる状態は、危険のサインだったなと思います。
動悸・倦怠感・頭痛など身体の不調
毎日寝る時に、明日の仕事のことを考えてしまい、動悸が起こっていました。
寝ても疲れが取れず、倦怠感やひどい頭痛も頻繁にありました。
ストレスを我慢しすぎて、身体にも不調が出てきてしまったのです。
眠れない
特に嫌なことがあった日は、寝る時にそのことを思い出してしまい、なかなか眠れないこともありました。
突然涙が出てくる
仕事中に、突然感情のコントロールができなくなり、泣いてしまったり、夜中に仕事のことを思い出して、涙があふれたりしました。
頭が働かない
頭の中が黒いもやに覆われたような感じで、「仕事しなきゃ」とは思うのですが、頭が働きませんでした。
すぐ終わるはずの単純な作業も、集中できず、なかなか終わらない。
身体が仕事をすることを完全に拒否していたのだと思います。
私はこの5つの症状が出てしまい、休職を決意しました。
休職する前に確認しておきたいこと
ここからは、実際に休職する前に、確認しておきたいポイントを解説します。
会社に休職の制度があるか
実は、休職制度は法律で定められているものではありません。
企業が独自に導入する制度であり、休職の条件や期間も企業ごとに異なります。
そのため、まずはご自身の会社の「就業規則」を確認することが必要です。
「え?そうなの?」と不安になった方もいるかもしれません。
しかし、実際は多くの企業が休職制度を導入しています。
令和3年の調査によると、全体で54%の企業が病気休職または病気休暇があると回答しています。
特に、従業員数が1,000人以上の企業では、67.2%が休職制度を導入しているのです。
休職制度を設けていない会社でも、病気を理由に休む場合、すぐに解雇されることは少ないのではないかと思われます。
労働基準法第19条により、精神障害の原因が会社にある場合は、その社員が療養のために休業する期間とその後30日間は解雇できない、と定められているからです。
1.労働者が業務上負傷したり、病気になった場合に、その療養のために休業する期間及びその後30日間と、産前産後の女性が第65条の規定によって休業する期間及びその後30日間は解雇できません。
労働基準法第19条
仮に精神障害の原因が会社にあると認められなかった場合でも、希望はあります。
労働者が、職種・職務を限定せずに採用されている場合には、負担が軽い他の業務への異動を検討せずに解雇すると、不当解雇とされる可能性が高いためです。
会社側もトラブルを避けるため、強引な解雇はしないと思われますので、上司や人事部に休暇が取れないか相談してみるのがよいでしょう。
まずは落ち着いて、会社の就業規則を確認しましょう。
休職の期間
休職の制度があることが確認できたら、休職できる期間も一緒に確認しましょう。
休職は、退職までの猶予期間という意味合いもあるため、期間の上限が定められている場合が多いです。
勤務年数によって期間の上限が変わるパターンもあります。
ちなみに私の場合は、勤続年数2〜4年で、休職期間の上限は24ヶ月でした。
給料は出るのか
休職中も生活費や社会保険料の支払いは必要なので、給料が出るのかはきちんと確認しましょう。
休職期間は、実際に働いてはいないため、無給となる会社が多いようです。
でも心配しなくて大丈夫です。
会社によっては、給料が出る場合もありますし、給料が出なくても、次に説明する「傷病手当金」を申請すれば、全額ではないもののお金を受け取ることは可能です。
お金は大事ですので、ちゃんと確認しましょう!
傷病手当金の申請
傷病手当金とは、病気やけがによる休職中の生活を保障するために設けられた制度で、給料の2/3の金額を、通算で1年6ヶ月の間、受け取ることができます。
1日あたりの金額=直近12カ月の標準報酬月額を平均した額÷30日×3分の2(休業した日単位で支給)
傷病手当金は健康保険の給付の一つなので、会社員なら誰もが利用できます。
給付の対象となるのは、以下の条件をすべて満たす場合です。
傷病手当金 給付の条件
- 業務外の病気やケガの療養のための休業であること
- 仕事に就くことができないこと
- 連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかったこと
- 休業した期間について給与の支払いがないこと
※一部給与の支払いがある場合は、その差額分を支給
「業務外の病気」となっていますが、仕事が原因の精神障害についても、傷病手当金を申請するのが一般的です。
傷病手当金は、会社ではなく健康保険組合からの支給になります。
よって、ご自身の入っている健康保険組合のホームページなどで、申請方法や申請書類のダウンロード、提出先などを確認しておきましょう。
傷病手当金があれば、安心して療養できますね。
復職の方法と戻る部署
まだ復職のことは考えられないでしょうが、安心して休職するためにも、復職の方法と戻る部署は事前に確認しておくとよいでしょう。
一般的には、復職する際には以下のステップを踏むことが多いようです。
復職の際のステップ
- 復職が可能とする旨の医師の診断書
- 産業医との面談
- 人事と職場復帰に向けた業務内容などの面談
- 上記3つの情報をもとに、会社が復職させるかどうかを最終判断
特に、今の部署に戻らなければいけないのかは、確認しておくと安心でしょう。
私の場合は、今の部署がストレスの原因だったので、「今の部署には戻りたくない」という気持ちを伝えておきました。
とにかくつらくて早く休職したい!という場合は、この部分は落ち着いてから問い合わせればOKです。
休職する際の手続き
ここからは、実際に休職することを決めた場合の手続きを解説します。
医師の診断書をもらう
休職する場合、ほとんどの会社で「医師の診断書」が必要になります。
ストレスによる休職の場合は、メンタルクリニックや精神科を受診して、自分の症状に対して診断名をもらい、休職が必要という旨の診断書を書いてもらいます。
ちゃんと診断書を書いてもらえるだろうか?と不安もありますよね。
でも、心配しなくて大丈夫です。
休職したいと思うほどつらくて、心と身体に不調症状がでているなら、今の気持ちや症状を正直に話して、休職したいので診断書を書いてほしい、と依頼すればOKです。
診断書には、以下の要素が含まれているのが一般的です。
- 病名もしくは病状
- 休職が必要と医師が判断した理由
- 休職の期間(いつからいつまで)
なお、休職の期間については、まずは1ヶ月間となることが多いようです。
ですが、1ヶ月後に必ず職場復帰しなければいけないわけではなく、まだ休職が必要と判断されれば、休職期間を延長することができます。
その場合は、延長の旨の診断書を書いてもらい、会社に提出すればOKです。
上司や人事に休職したいことを伝える
医師の診断書が準備できたら、それを根拠にして、上司に休職を願い出ます。
休職の申請書がある場合は、それも提出します。
もし上司が話を聞いてくれない場合は、直接人事に休職を願い出てもよいでしょう。
理想としては、普段から上司とコミュニケーションをとり、重度なメンタル不調の場合は早めに業務の軽減などを行ってもらうのがベストです。
ですが、なかなか言い出せず、ストレスが限界を超えてしまったら、早めに診断書をもらって休職を願い出てしまいましょう。
自分の素直な気持ちを正直に伝えましょう!
休職か退職かで悩んだときは?
仕事でストレスが限界を超えてしまった時、「いっそ辞めてしまおうか」と思う方もいますよね。
本人の気持ちが一番大事なので、正解はありません。
ですが、私としては、「いったん休職する」のがいいのではないかと思います。
退職を考えるほど毎日がつらいなら、今後のことを前向きに考える余裕もないですよね。
余裕のない状態で退職してしまったら、有給消化や失業手当はあるとはいえ、次の職を探すのも大変なのではないでしょうか。
それに比べ、休職は、籍は会社に残るため、「早く次の職を探さなければ」という精神的負担は減るはずです。
まずは休職して療養に専念し、それから退職するか復職するかを考えれば良いのではないかと思います。
まずは療養することに専念しましょう。
まとめ:休職は甘えじゃない。自分の健康のための権利
ストレスで休職したいと思うのは、甘えではありません。
我慢をしすぎて、自分の健康を害してしまうのが一番良くないことです。
- ストレスで休職したいというのは、甘えじゃない
- 心の不調が身体の不調に現れてきたら、要注意
- 休職中は、傷病手当金があるので最低限の生活はできる
- 休職するには、医師の診断書が必要
- 休職か退職かで悩んだら、いったん休職もあり
本記事の内容は、知っているだけでも気持ちが楽になると思います。
ぜひ活用して、我慢せずに、自分の健康を最優先にしてくださいね。
少しでもお役に立てたら嬉しいです!